島だより

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おすすめイベント報告:6.24『沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流2023』

6月24日、琉球新報ホールで行われた『沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流2023』
皆さんご覧になりましたか?
政治外交、経済、次世代をテーマに、それぞれのパネリストが思いを語りました。

沖縄の経済を語る「経済~福建・台湾・沖縄」パートは、なかなか聞く機会の少ない貴重な話ですが、そのあとに続く次世代トークもとても良いですよ!

でも今日のおすすめは平和のスキームをどう作るか? についてインド、台湾からのビデオメッセージです。

私たちの国は島々にミサイルを置き、戦闘機を置き、いつ戦争になってもいいように日々国をあげての戦争の備えをしているようです。
そうすると次第に私たちの想像力は、「戦争をすること」へ向いていきがちになります。
「周辺諸国で互いに協力する、互いの国の発言を尊重し、担保し、解決に向けて相互に努力する」枠組みをどう作るか? そのことにこそ、私たちの想像力を使っていくべきではないでしょうか。

書き起こしもしましたので、ぜひご覧ください。

 

インドのクルクシェトラ大学で教授をしております、チャウハンと申します。よろしくお願いします。この機会を与えて下さった羽場久美子教授に感謝の意を表したいと思います。
ここでは、南アジアと南アジア地域協力連合SAARC、そしてベンガル湾技術経済協力構想 BIMSTECについてお話しさせていただきます。

まず、南地域協力連合SAARCとは何かということですが、インドパキスタンモルディブ、ネパール、スリランカ、ブータン、バングラディッシュ、アフガニスタンという8各国が加盟するSAARCは、1985年に設立され、南アジア諸国に住む人口の40%以上をカバーし、世界最大級の組織です。オブザーバー国は日本、ヨーロッパ連合、オーストラリア、中国、イラン、モーリシャスで構成されています。社会の進歩、文化の発展、平和と協力を促進することは、SAARCの主な役割です。

ミャンマーとロシアは将来加盟国になる潜在力があると思われていますが、正式なメンバーではなく、オブザーバー国になる可能性があると思います。
SAARCは、ネパールのカトマンズを拠点に各国に建設された多くの地域センターを持ちます。一番の成果として南アジア自由貿易圏を設立し、食料安全保障やインフラなどの分野の発展に寄与してきましたを。

しかし、SAARCの加盟国は国家間の対立や不信感など様々な課題にも直面しています。その一つに加盟8カ国の中でインドが最大規模であることから、インドとパキスタンの間の地政学的な不均衡が生じ、多くの紛争を引き起こしています。

インドとパキスタンの対立、バングラディッシュの問題。スリランカの一部の安全保障平和問題はいずれもSAARCにある程度の影響を与えてきました。過去50年にわたるインドとパキスタンの間の多くの戦争は、両者の不信感につながっています。こうした対立や不信の結果、SAARCは経済発展、貧困率の削減、インフラの改善、良質な教育や医療の提供に力を集中することができず、数多くの計画も実行できていない状況です。

羽場久美子教授は最近、ニューデリー郊外のサーク大学を訪れ、医学部8国際関係学部などいくつもの学部で講演、視察をされたことはよく知られています。学生たちは互いに協力し、よく学んでいます。対立がありますが、インドは8カ国の協力関係に向け頑張っています。

インドとパキスタンの政治的対立の結果、インドとSAARCの他の加盟国はBIMSTECという新しい組織を設立しました。BIMSTECの主な焦点は、経済技術協力であることです。BEAMSTECHとSAARCにはいくつかの違いがあります。SAARCは1985年に設立され、BEAMSTECHは1997年に設立されました。

BEAMSTECH中ではタイとインドが参加することでバランスを取ることを試みられています。現在、BEAMSTECHは順調に進行しており、人々はBEAMSTECHに対してよりよい見方をしていいます。SAARCも非常に取り組みが進んでいる組織だが、まだいくつかの問題があるので、約75%の人がBEAMSTECHを市場の選択的なプラットフォームだと考えています。

東南アジアの国々が協力していくことは、様々な課題とメリットがあります。南アジア地域は経済、社会、文学や文化、技術、科学など様々な分野で地域の発展を促進するためには、加盟国集団としての自立を促進し強化し、相互信頼を築き、お互いの問題を解決することが必要です。

この地域には大きな潜在力があります。加盟国は、特に科学技術情報技術行動教育及び、最近は医療の分野で大きな貢献を果たしています。例えば、コロナ流行の際、世界のワクチン供給に関しては大きな役割を担っていました。次はロシアとウクライナの戦争についてですが、この戦争は西ヨーロッパ地域だけでなく、東南アジアへのサプライチェーンを破綻することです。

東南アジアにも影響を及ぼしています。なぜこの戦争が起こったのか、そしてそれがもたらした供給問題は周知の通りですが、時間の時間の関係上、これ以上述べることはできません。インドはある程度の国内資源を持ち、徐々に輸出を拡大しています。

サプライチェーンの問題は依然として存在し、効果的に分配する必要があると思います。以上です。皆様ご清聴ありがとうございました。

 

 皆さんこんにちは。
 台湾のヨーロッパ連合EU最高責任者マークチェンです。今日は羽場久美子教授にお招きいただき、誠にありがとうございます。今日は私が得意とする分野であるヨーロッパ連合EUでの経験についてお話ししたいと思います。今日のテーマは地域がいかに協力を通して平和を維持できるかです。

 もちろん、このようにすべきだと説教されるのはゴメンだとは思うかもしれませんが、EUの発展から学ぶところもたくさんあるとは思います。EC、EUが戦後最初に行った統合は、経済や市場の発展という以上に第1次世界大戦と第2次世界大戦のような戦争が再び起こらないようにするためでした。
 文明が発達した国と自称しているのに、あのように大きな世界戦争が起こったことを反省し、二度と戦争が起こらないように平和の促進と発展こそが重要だと考え始めました。

 もちろんこれは簡単な仕事ではありません。なぜなら、平和に向けて取り組むために、大勢の人の努力が必要で、初期段階においての平和構築は正当的に遂行することが大切だからです。それゆえEUでの平和についての取り組みの成果が現れ始めた頃から、これを他の国でも広めようと考えられ始めました。特にアジアで広めようと考えられました。

 しかしアジアには歴史的な対立や市場占有競争によりお互いに警戒し合っている状況があります。ですからアジアでヨーロッパ地域と同じような統合を行うのは極めて難しいです。
 ASEAN東南アジア諸国連合の設立も当初のEUを真似して設立されたものですが、アジアと言う地域で独自の利益が得られるようにすることが第1の目的でした。ですから、地域の平和に関しての促進と発展のいずれも提唱ができないところがあります。

 次は沖縄を例にして見てみよう。沖縄というと、多くの人は米軍基地が存在していることをイメージするでしょう。
 米軍基地が沖縄に存在している限り、安全が保証されると考えられています。しかし、しかし、これも間違いではありませんが、他の国にとって米軍基地の存在は平和の促進と発見どころか、逆に危険ともなっているのが事実です。
 ですから、沖縄のようなところで地域協力の場を設立し、平和を促進するハブとして使用、あるいはそうした体制を整えることが成功の鍵になります。前にも言ったように、羽場久美子教授がおっしゃったことでもありますが、沖縄が各国を連結する港となり、かなめになれば、取り組みはおのずと推し進められるでしょう。

 それに沖縄は歴史上、日本にだけではなく、韓国や台湾、あるいは中国とも関わりを持っています。だから、平和を組織するセンターとしても最もふさわしい場所だと私は思います。
 小さな国は外交するのが難しいという言葉をよく聞きますが、小さい場所は国際情勢を変える力を持っていないからです。しかし、小さな国だからこそ、平和を提唱しても反対されることはなく、自分だけの利益を重視するよりも、皆が共に利益を享受することに重点を置いています。しかし、米軍基地の存在の背景には、日本だけでなく、韓国や台湾、中国にも密接な関係があります。

 ですから、沖縄がいかに自分の役割を発揮するのが、周りの国の情勢と合わせて考える必要があると思います。皆さんもご存じのようにEUの本部はブリュッセルに置かれてもいますが、面積は小さくても各国または地域を繋げる中心になっています。
 もし沖縄がアジア各国をつなげるハブとしての役割を担うのであれば、日本、台湾、韓国、中国とのかかわりはさらに親密になり、よりよい関係性を保てるとは思います。今日はこの会議だけではなく、音楽会のようなお祝いの活動もなされていると聞きました。

 私が感心したのは、日本料理、台湾料理、韓国料理などが多彩に準備されているということです。EUの視点から見ると、人々がお互いに尊重し、理解しあうことこそ推進や傾向を打ち出せる鍵になると思います。この和解こそが国家間の協力を促進することができると思います。
 簡単なことではないのですが、何もしなければ何も起こらないのです。今日はこの場で、こうして皆さんとお話しできることは、和解に向けて大きな一歩を踏み出せたのではないかと私は思います。本日、この場を借りてお話ができたことにとてもうれしく思います。

 この大会が成功することを願っております。ありがとうございました。